こんにちは yu-riです。
本日は間質性肺炎と呼吸障害の第4回目です。
問題はこちら
それぞれまとめてきました。
今回は知識の整理の最後、間質性肺炎についてまとめていきたいと思います。
間質とは
肺炎はよく知られている疾患ですが
間質性肺炎とはなんでしょうか。
字面的に「間質」で起こっている炎症だということは想像できますよね。
では「間質」とはどこのことでしょうか?

肺は無数の肺胞という空気の入る袋で構成されています。
その肺胞は多数の細胞で構成されているわけですが
空気を取り込み・排出するため
風船のように伸び縮みするように作られています。
柔軟に伸び縮みするために
細胞と細胞の間に結合組織があります。
間にあるので、これを間質と言います。
そこまで細かく捉えずに「肺胞壁」と考えても理解に支障はありません。
よって、間質性肺炎はこの間質部分に炎症が起きることを指します。
原因

原因がはっきりしない特発性と
原因が判明する続発性に分類されますが
肺線維症により起こるものが典型的です。
ただしその肺線維症も原因がはっきりしない疾患です・・・。
肺線維症とは字の如くですが
繊維化、つまり本来弾力のある・伸び縮みする組織が
硬くなり、伸び縮みできなくなるという病気です。
先ほど間質とはの部分で
空気を取り込むために伸び縮みすると言いましたが
これができなくなることにより呼吸困難を起こす、怖い病気です。
症状・所見
組織が硬くなり、肺胞が伸び縮みしづらくなるということは
肺が膨らまない、拘束性換気障害を起こすということです。
症状としては
- 呼吸困難
- 乾性咳嗽
- ばち状指
が挙げられます。
所見としては
- 捻髪音(細かい断続性複雑音、fine crackies、「パチパチ」)
- 蜂巣肺
- 網状影、輪状影(下肺野から徐々に上葉へ)
が挙げられます。
肺胞が硬くなることによって
吸気して肺胞が膨らむときにパチパチと音がします。
これを捻髪音、ファインクラックル、断続性高音性副雑音などと言います。
高めの何かが弾けるような音です。
繊維化、つまり硬くなるとそれが白くレントゲンに写ります。
綿菓子のような影で「網状影」と言います。
下肺野から進行するのが特徴です。
病状の進行にともに、上葉に広がっていきます。
通常、肺胞がCTで撮像されることはありませんが
肺胞壁が分厚く・硬くなることでCTに映るようになります。
それが「蜂巣肺」です。
字の如く蜂の巣状の影です。
かなり特徴的なので初めてリアルで見たとき
「おぉ〜これが噂の・・・」とちょっと感動します。
治療
根本的な治療法はありません・・・。
対症療法と、急性増悪の予防が治療になります。
- 酸素療法
- 適度な運動
- 感染予防
呼吸困難感が強く
実際にSpO2の低下などがみられる場合には酸素投与などを行います。
在宅酸素療法(HOT)を導入し
自宅で酸素を使いながら生活される患者さんも多くいます。
呼吸困難感を軽減させるためには
より肺を膨らませるような
胸郭・横隔膜の動きを増加させる必要があります。
具体的には
- 臥位より座位・立位
- 腹式呼吸
- 半身浴
などの指導を行います。
こういった方法を行ってもなお呼吸困難感が強かったり
十分な換気量が得られない時酸素療法を行います。
感染症を起こすことが急性増悪(急激な病状の悪化)の要因となります。
感染予防と
感染してしまった時の早期治療開始のための体温測定などが必要です。
呼吸困難感のために運動量が減り
ADL低下や
呼吸筋の筋力低下により呼吸困難感が増悪する可能性があります。
苦しくならない程度の適度な運動を指導することで
廃用症候群などを予防し
ADLの向上、ひいてはQOLの向上につなげます。
また呼吸筋・腹筋などは有効な咳嗽を得るためにも必要です。
筋力がなくなるとしっかり咳をすることができなくなり
誤嚥や痰などによる気道閉塞にも繋がりかねません。
必要に応じて吸引を行う必要なども出てきます。
間質性肺炎は
有効な治療法がなく
また慢性的に増悪していく疾患です。
長期にわたって疾患と付き合いが必要な疾患で
患者さんの疾患の受け入れや
呼吸に関する指導、感染予防などの生活習慣の指導を
行なっていく必要があります。
長期にわたる患者さんとの関わりが必要な疾患です。
疾患の理解はもちろんですが
患者さん一人一人を理解し寄り添って
看護してけるようになりましょう。
次回はいよいよ問題の整理を行っていきます。
ここまで整理してきた知識を活かして
問題を解いていきましょう。
お疲れ様でした!
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