こんにちは yu-riです。
本日は黄疸ついてまとめていきたいと思います。
2013年、2014年の必修問題でそれぞれ出題されています。
そこまで頻出ではないので
さらっと大事なところをまとめていきましょう。
黄疸とは
黄疸とはなんでしょうか。
日常生活ではあまり聞きなれない言葉なので
なんとなく難しいようなイメージがある人も少なくはないと思います。
黄疸とは
なんらかの原因により血液中のビリルビン濃度が上昇することによって
眼球や皮膚が黄色くなることを言います。
本来であれば
体内でうまく処理がなされて体外に排出されるはずのビリルビンが
体内にとどまり続けることにより起こります。
つまりこのビリルビンという物質が
黄疸を学んでいく上で重要ということです。
ビリルビンの代謝
黄疸を学ぶ上でビリルビンが重要と言いました。
ビリルビンとは
老化した赤血球が破壊されて生じるものです。
赤血球は血球の一つで酸素を全身に運ぶ役割を担っていますが
寿命は120日ほどで
役目を終えると脾臓に送られ
体外に排出するための代謝が行われていきます。
その代謝の過程で生じるのが
ビリルビンという物質で
代謝の過程に問題が起こると黄疸の症状が出てきます。
正常なビリルビンの代謝を確認しましょう。
老化した赤血球はまず脾臓に送られます。
脾臓で赤血球は破壊され
そのうちのヘモグロビンから間接ビリルビンが生じます。
この間接ビリルビンは血流に乗って
門脈を通り肝臓に到達します。
肝臓でグルクロン酸という物質と結びつき
直接ビリルビンという名前に変わります。
直接ビリルビンは水溶性ため
胆汁に混じって腸内に排出されていきます。
腸内に排出された直接ビリルビンは
腸内細菌からの作用でウロビリノーゲンに変化し
このウロビリノーゲンは便や尿に含まれ排出されることになります。
これがビリルビンの正常な代謝です。
この経路を簡単に覚えておきましょう。
もう一つ覚えておいて欲しいのは「色を持っている」ということです。
ビリルビンの元はヘモグロビンです。
ヘモグロビンは赤血球の赤色の主成分です。
そのヘモグロビンを先祖に持っているビリルビン、ウロビリノーゲンたちも強い色を持っています。
ビリルビンが含まれる胆汁は黄色っぽい茶色
ウロビリノーゲンが含まれる便や尿も黄色みがかった色ですよね。
さてここで思い出して欲しいのが「黄疸」です。
皮膚は何色になるんでしたでしょうか?
ビリルビンと黄疸の関係性が繋がりましたね。
病態
では次に
黄疸が起こる原因についてまとめていきましょう。
先ほどまとめたビリルビン代謝の経路のうち
どこかが傷害されて黄疸が起こります。
どこが傷害されるかにより
大きく3つに分けられます。
肝臓を中心として
- 肝臓より前で障害(肝前性)
- 肝臓で障害(肝性)
- 肝臓より後ろで障害(肝後性)
に分けられます。
肝前性
肝前性で起こる黄疸は
間接ビリルビンが過剰に生産されることによって起こるもので
「溶血性黄疸」と言います。
溶血というのは
赤血球が壊れ、中のヘモグロビンが流出することです。
なんらかの原因でこれが多量に起こることにより
間接ビリルビンが多量に作られますが
肝臓でのグルクロン酸抱合が間に合わず
血中の間接ビリルビン量が上昇し黄疸が起こるものです。
肝性
肝性に起こる黄疸は主に
ビリルビン代謝が生まれつき苦手な「体質性黄疸」
直接ビリルビンが上手く胆管に運び出すことができない「肝細胞性黄疸」
運び出すことはできたけど、胆管が閉塞してしまい進むことができない「肝内胆汁うっ滞性黄疸」
に分けられます。
特に重要なのは肝細胞性黄疸と肝内胆汁うっ滞性黄疸です。
いずれも直接ビリルビンの排出通路が傷害されて起こりますが
傷害される場所が少し違います。
肝細胞性黄疸は
胆管に流れ込む手前の毛細胆管に上手く流れ込むことができずに起こります。
流れ込めない原因は
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変 などです。
一方、肝内胆汁うっ滞性黄疸は
毛細胆管には流れ込めても
その先の胆管が閉塞していることにより胆汁が排出されずに起こります。
肝後性
肝後性の黄疸は
肝臓の外側で障害が起こることにより起こります。
肝臓の次にビリルビンが通るのは胆管です。
ここが詰まってっしまうことにより「閉塞性黄疸」が起こります。
前述の肝内胆汁うっ滞性黄疸と病態は同じですが
少しだけつまる場所が違います。
胆管は肝臓内を通る部分と露出している部分があります。
肝臓内を通る胆管が閉塞している場合は「肝内胆汁うっ滞性黄疸」
露出している部分の胆道が閉塞している場合は「閉塞性黄疸」と言います。
原因は
肝内性胆汁うっ滞性黄疸では
- 薬剤性肝障害
- 原発性胆汁性肝硬変
など肝臓に問題があるもの。
閉塞性黄疸では
- 胆道がん
- 胆石症
- 急性胆管炎
- 膵頭部がん
など胆管自体がなんらかで障害を受けているものになります。
障害のされ方は似ていますが
原因となる疾患が異なるため
治療法が大きく異なります。
しっかり区別して理解しましょう。
症状
黄疸で問われることが多いのは
黄疸が現れる場所です。
一番黄疸を確認しやすいのは眼球結膜です。
これだけ覚えていれば必修問題は解くことができます。
これだけは絶対に覚えましょう。
そのほか代表的なものは図の通りです。
今回は黄疸についてまとめてきました。
間接ビリルビン、直接ビリルビンなどややこしい言葉が多く
また脾臓・肝臓・胆管あたりの解剖が苦手な人も多いため
なんとなく難しいイメージがあるかと思います。
掘り下げると複雑ですが
眼球黄染というキーワードだけわかれば必修問題を解くことができるという
ラッキー問題でもあります。
そこだけは絶対に覚えてくださいね。
お疲れ様でした!
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