脱水④ 看護ケア

国家試験対策

こんにちは yu-riです。

前回までで脱水に関する知識を深めてきました。

今回はそれを踏まえ

脱水に対する看護ついて深めていきたいと思います。

看護計画の立案や日々の観察に生かせる内容だと思いますので

一緒に学んでいきましょう。

 

 

観察項目

患者さんの状態を知らなくては

適切な看護を提供することができません。

患者さんの状態を把握するには

患者さんの観察を行うことが絶対に必要です。

 

脱水状態にある

または脱水状態にある可能性のある患者さんの観察項目を考えましょう。

自覚症状

まずは自覚症状です。

患者さんからの訴えを聞きましょう。

しっかっり質問を考えて問診するのも大切ですし

「口がカラカラでのどが渇く」

「だるさがある」

「食欲がなくて、水を飲むのも億劫」

など会話の中からヒントを得て

「あれ?脱水が起こっているのかな?」と気づくことも大切です。

日常的な患者さんとのかかわりの中で

すぐに患者さんの変化を察知できるように

アンテナを高くしておきましょう。

 

バイタルサイン

次に言わずもがなバイタルサインです。

血圧や意識状態はもちろん

脈拍数や呼吸数、体温にも気を配りましょう。

脱水により循環血液量が減少すると

血圧低下だけでなく

頻脈や頻呼吸、体温上昇を認めます。

 

皮膚・粘膜

粘膜で分かりやすいのは口腔内です。

唇や口の中を観察します。

乾燥しているかももちろんですが

口腔内の汚染の程度も観察しておきましょう。

口腔内の乾燥は雑菌の繁殖を促し

それを誤嚥すると肺炎につながります。

また口腔内になにか問題があるから

水分・食事の摂取ができないという可能性もあります。

 

皮膚の乾燥についても同様です。

見た目・触ってみて乾燥を確かめます。

乾燥だけでなく緊張度(ツゴール)の低下も重要な観察項目の一つです。

水分が十分に含まれていると

プルンっと張りのある皮膚になりますが

脱水により水分が不足した状態だとシワシワ・・・

そんなイメージです。

 

そのほか血管の虚脱の有無などの観察できるといいですね。

脱水の患者さんの採血は

血管がふにゃふにゃで難しいです・・・。

 

末梢まで血液が循環しているかを見る方法として

CRT(毛細血管再充満時間)を確認することも有効です。

爪を5秒ほど圧迫し血流を阻害します。

その後圧迫を解除すると

正常であれば2秒ほどで血色が戻ってきますが

それ以上に時間がかかる場合には循環血液量が減少している可能性があります。

簡単に検査をすることができるので

気軽に試してみてください。

 

In-Outバランス

これに関しては後程詳しくまとめていきます。

入ってくる水分と

出ていく水分のバランスが保たれているかを見ていきます。

 

既往歴

脱水を引き起こす可能性のある疾患を持っているかを確認します。

疾患によって引き起こしやすい脱水の種類が異なりますので

既往歴を知っておくと

治療方針を立てやすくもなります。

またいざ脱水に陥ってしまった場合に

重症になりやすいかどうかも考える要因になります。

 

使用中の薬剤

利尿剤や下剤など

水分が出ていきやすい作用を持つ薬を使っているかどうかをみます。

適切に使えば治療効果を得られる薬剤でも

使いすぎは患者さんに害をもたらします。

どんな薬も

使う際にはその薬効を観察しますが

脱水においても同じです。

必要以上に薬を使っていないか

薬の効果が強すぎないかを観察しましょう。

 

各検査結果

上記の観察項目に加え

各検査で出る数値も大切な情報です。

尿の量や濃縮度

血液の濃縮度や電解質、栄養状態などを見ることにより

高張性脱水か低張性脱水か

あるいは脱水の程度を見ることができます。

脱水が進行し循環血液量が低下すると

各組織への循環血液量が減少すると前回話しました。

各組織への血流量減少により

臓器障害が出るとそれが採血結果にも表れることになります。

各臓器に由来する採血検査値に関して勉強しておくと

採血をする意義がより理解できるようになり

面白いと思います。

 

 

これらの観察をもとに

患者さんに必要なケアを考えていきましょう。

例えば観察により水分摂取量が少ないことが判明したら

「水分摂取を促す」というのがケアになります。

「水分摂取を促す」といっても

  • 経口摂取が可能なのか
  • なぜ水分摂取が適切にできないのか
  • どうすれば水分摂取ができるようになるのか

などを考えると個別性のあるケア計画になります。

 

重症度分類

次に観察をしたうえで

脱水の重症度を判断していきましょう。

脱水は水分・塩分の喪失量により重症度分類がされます。

具体的な数値を覚える必要性はありません。

大体これくらいで起こるんだと

自分の体重などで換算してみるといいと思います。

 

実際には患者さんの観察を行って

それをもとに重症度を予測します。

軽症だったらほっといていいというわけではありませんが

重症と判断された場合には

死に至る可能性、急変リスクが高いと判断し

早急な対応が求められます。

大まかに「こういう症状があるときは危険!」と

患者さんの観察で気づけるようになると役立ちますよ。

 

In-Out

本日最後はIn-Outについてです。

 

高張性・等張性・低張性のいずれにしろ

水分がとても重要なカギとなります。

私たちの体は約60%が水分でできていますが

出入りなくずっと同じ水分を体内にとどまっているわけではありません。

食べたり飲んだりで入ってくる水分と

汗や尿で出ていく水分を差し引きして

体内の水分量を保っています。

 

その差し引きのバランスのことを

In-Outバランスといいます。

 

これが崩れることによって循環動態などに影響が出てくるため

心不全などの循環器疾患などでは特に厳重にチェックされます。

 

Inは入ってくる水分のことです。

飲水・食事はわかりやすいですね。

代謝水というのは

細胞がエネルギーを生む過程で発生する水分のことです。

体内で生まれる水と考えてくれればOKです。

 

Outは出ていく水分のことで

こちらはわかりやすいですね。

不感蒸泄のことは目に見えにくい分忘れがちですので注意しましょう。

 

このInとOutのバランスが崩れると

脱水や、体液貯留(浮腫・胸水・腹水など)につながります。

尿量や輸液量の観察を通して

バランスが崩れていないかを確認しましょう。

 

それにしても

毎日約2L以上の水分が出たり入ったりしてるってすごくないですか。

結構衝撃的な量ですよね。

 

 

いかがでしたでしょうか。

今回まで4回にわたり脱水についてまとめてきました。

国家試験というよりは

臨床に近い内容になってしまいましたが

役立てていただけると幸いです。

 

お疲れさまでした!

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