脱水①

国家試験対策

こんにちは yu-riです。

本日から脱水についてまとめていきたいと思います。

「脱水」単体での問題は

あまり問われる部分ではありませんが

体内の恒常性、循環などと深いかかわりがあり

学んでおくとほかの分野と合わせて理解が深まる部分です。

また、臨床では様々な点滴を目にする機会があり

それらが患者さんにもたらす影響を知るのは大切なことです。

それらを理解するのにも役立ちますので

一緒に勉強していきましょう。

 

 

脱水とは

脱水って意外と身近な言葉で

一般の方でも聞きなれた単語だと思います。

文字からも

体の中の水が足りない状態のことだとイメージが付きやすいですよね。

 

そのイメージは決して間違ってはいませんが

看護師を目指すからにはもう一歩踏み込んでみましょう。

 

脱水とは水だけではなく、電解質も足りない状態です。

 

この電解質というのが

脱水を理解するうえでのポイントです。

 

電解質というのは

ナトリウム・カリウムなどのことです。

電解質は後述する浸透圧に影響を及ぼすもので

細胞内外の水分量の調整を担う部分です。

 

私たちの体はとてもよくできていて

常に体にとって最適な環境を整えようと

各臓器や細胞が働いています。

そのバランスが崩れると

体調を崩し様々な症状が出てくるわけです。

 

体液も同じで

常に一定の濃度を保とうとする働きがあります。

一定の濃度を保つためには

水分と電解質のバランスが大切ということです。

 

脱水とはこの水分と電解質のバランスが崩れた状態のことで

具体的には

  • 水分が足りない状態(水分<電解質、濃度が高い状態)
  • 電解質が足りない状態(水分>電解質、濃度が低い状態)
  • 水分も電解質も足りない状態

の3つがあります。

単に水分が足りない状態ではないということを

まずは抑えましょう。

 

体液の組成

さて、脱水が単なる水分不足ではないとわかったところで

体液の復習を行いましょう。

体液に関して詳しくはこちらを読んでみてください。

 

先ほど、脱水とは水分と電解質のバランスが崩れることといいました。

異常を判断するには

まずは正常値を確認しましょう。

私たちの体は約60%が水分で構成されていますが

水分と言っても絵のようにタプタプしているのではなく

細胞内に含まれていたり

血液として体中をめぐっていたり様々な形をしています。

水分中に栄養素を溶かし

血液に乗って体中をめぐり

各細胞に栄養をお届けしています。

お届けするにしても細胞の中に入れないといけませんよね。

ただし細胞に必要のないものまでは入れてしまうと

細胞がパンクしてしまいます。

 

ここで高校生物を思い出しましょう。

細胞膜には分子の小さいものであれば通すことができるという性質がありましたね。

これを利用して

水分は分子が小さいため細胞内外を行き来することができます。

 

この細胞内外を行き来するのに電解質の濃度が関係してきます。

それに関しては次の浸透圧で触れていきますので

いったん置いておきましょう。

 

必ず覚えてほしいのが細胞内外に含まれる電解質です。

細胞内ではカリウムが多く

細胞外ではナトリウムが多く含まれています。

これは必修問題でも問われる部分です。

必ず覚えておきましょう。

血液中の正常値は

ナトリウムが138~145mmol/L

カリウムが3.6~4.8mmol/Lです。

血液のなかでも血漿と呼ばれる部分に水分が存在しているわけですが

血漿というのは血管内を漂っている「細胞外」の水分です。

なので、採血上ではナトリウムのほうが圧倒的に多く検出されます。

具体的な数字を今すぐ覚えろとは言いませんが

とても大切な数値です。

意識はしておきましょう。

 

浸透圧とは

本日最後は

浸透圧について学びましょう。

苦手な人多いですよね、ここ。

見た目がなんか難しくて「考えたくもない!!」って拒否反応が出る気持ちわかります。

ただ、勉強してみると思ったほど難しくないので

最後のまとめとして

気楽に読んでってください。

 

浸透圧について学んでいきますが

言葉の定義を考え始めるとややこしくなるので

原理原則だけ抑えましょう。

それだけわかっていれば困ることはありません。

 

浸透圧の原理原則は

「濃いものを薄めようとする」ということです。

これだけ覚えてください。

 

スープを作っているとしましょう。

うっかり塩を入れすぎてしょっぱくなってしまったらどうしますか?

A.塩を取りのぞく

B.水を足して薄める

答えはBですよね。

だってスープの中から塩だけ取り出すなんて不可能じゃないですか。

水分を足して、ちょうどいい味になるように調整しますよね。

 

浸透圧のイメージはこんなんで十分です。

 

先ほど、学んだことをいったんここで整理しましょう。

  • 私たちの体は、バランスを保とうとする働きがある
  • 細胞内のK、細胞外のNaの濃度が重要
  • 細胞膜は水分を通すことができる

これらの働きを使うときに浸透圧という機構が使われます。

通常であれば

細胞の中と外では私たちの体にとってベストな濃度が保たれているわけですが

何らかの原因で脱水状態に陥った場合

体は少しでもバランスを取ろうとします。

バランスをとるには水または電解質の移動が必要ですが

電解質は細胞膜を通ることができませんから

水分が移動することによってバランスを取ろうとします。

移動は「濃いものを薄める」ように動きます。

これを浸透圧というわけです。

 

ちなみに浸透圧は圧力ですから

圧力が高い・圧力が低いという表現をします。

水分が足りず

電解質の濃度が濃ければ濃いほど水を欲しがりますので

水を引っ張る力が強い→高張性。

 

水分は足りてるけど電解質が薄い状態では

水分の引っ張り合いが少ない→低張性。

 

全体的に量が少ないけれど

水分も電解質もバランスは保たれている場合

水分のやり取りは発生しない→等張性。

 

詳しくは次回以降学んでいきますので

そういうのがあるんだぁくらいでOKです。

 

 

本日はこれから脱水を学んでいくうえで必要な知識をまとめてきました。

いかがだったでしょうか。

次回から具体的に脱水に関する病態などを学んでいきますが

今回の予備知識があると理解がしやすいと思われます。

完璧ではないにしても

自分の中でイメージを膨らませておきましょう。

 

おつかれさまでした!

 

 

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