こんにちは yu-riです。
本日はタイトルにもあるように
救急医療体制についてです。
個人的な話ですが
私は2次救急のある病院に勤めています。
昨日夜間の受診希望のお電話で
「当院では拝見することができない」という旨を伝えたところ
「病院なのになんで受け入れができないんだ」
とお叱りを受けました。
そしてこういうことを言われること少なくありません。
今回は救急の体制とはどういうものなのかについて整理し
なぜ、受診をお断りすることがあるのかについて話をさせていただきたいと思います。
救急医療体制とは
日本には救急医療体制というものがあって
初期救急・2次救急・3次救急の3つにレベル分けされています。
コードブルーや救命病棟24時など
よくドラマやドキュメンタリーで取り上げられるのは3次救急がほとんどです。
なぜこのようにレベル分けされているのでしょうか。
答えは、「救命できる患者さんを確実に救命するため」です。
高度な医療技術を持っている病院に
クリニックでも対応可能な患者が押し寄せたらどうなるでしょうか。
もちろんトリアージして
緊急性の高い患者さんから順番に診察を行なっていきますが
緊急性の高い患者さんにとっては
そのトリアージをしている時間すら惜しく
また、比較的軽症な患者さんは
言い方が悪いですがどんどん後回しにされるという
お互いにとって不利益な状態となります。
そこで緊急性・専門性が必要とされる患者さんは
高度医療施設を持つ3次救急へ
軽症な患者さんはほぼ確実に順番に診てもらえる初期救急へと
受診する病院を分けることによって
効率よく全ての人に必要な医療を届ける体制になっています。
夜間救急の体制
上記の救急医療体制は昼夜問わずそういう体制としてありますが
夜間はさらに制約がついてきます。
それは診療科が少ないというものです。
中規模以上の病院では様々な診療科を掲げている病院がほとんどだと思います。
例えば
内科、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、眼科、皮膚科、耳鼻科、産婦人科、小児科などなど。
内科や外科がもっと細分化されていて
消化器・循環器・呼吸器・腎臓・血液・膠原などと別れていることもあります。
日中であればその科の医師誰かしら勤務しているので
一つの病院で様々な疾患を診ることができます。
しかし、医師も人間です。
必ず休日というものがあります。
病院によって細かい体制は異なりますが
夜勤当直として一つの病院にいる医師は救急科
または救急科がなければ内科系、外科系それぞれ1人ずつ
などの病院が多いと思います。
これが何を意味しているかというと
診察できる診療科が限定されるということです。
例えば呼吸器内科の医師と、整形外科の医師の2人が当直として勤務している病院で
吐血の患者さんの受け入れができるか考えるとします。
吐血の場合、
出血元の確認や止血処置のために
消化器の医師による緊急内視鏡が必要です。
そうなると呼吸器と整形の医師では治療困難といえます。
こういう場合には当院での治療は困難として
緊急内視鏡を行える施設へ受診、救急搬送していただく形になります。
受診できる診療科が制限されるというのを知らない方は意外と多くいらっしゃって
「どうして○○科と書いてあるのに診てくれないんだ」とご意見いただくことが多々あります。
夜間救急を受診するとき
上記2つを踏まえて
夜間救急を受診するときには
という選択肢になります。
救急要請をした場合には
救急隊が診療可能な病院を探してくれます。
自力で受診する際には自分の症状をその病院で診察可能かの確認の電話をいただければと思います。
電話をするのめんどくさいですよね。
とりあえず病院に行きたい気持ちめっちゃわかります。
でも診療科があっていない場合
せっかく来ていただいたとしても
また違う病院を探して
そちらに移動していただかなければいけないという事態になります。
HPなどでその月の当直科を公表している病院もありますので
それで確認してもらうのもいいとおもいます。
また、夜間受診する際に知っておいて欲しいのは
- できる検査に限りがある
- 夜間加算で、診察料が割高になる
- 処方薬が最低限しか出されない
- お待たせ時間が読めない
ということです。
その病院によっても少しずつ異なるので
全部が当てはまるわけではないかもしれませんが
よく当てはまることだと思います。
基本的に日中に比べ
医師はもちろん、看護師、検査技師などの人員も少なく配置されています。
少ない人員の中で来院した患者さんをトリアージし
優先順位をつけて治療を行なっていきます。
そういう特性を知っておいてもらえると嬉しいです。
救急医療体制、夜間救急について少しお役に立てたでしょうか。
病院や、地域によってそれぞれルールはあると思いますので
今回書いたことと異なる部分もあるかもしれません。
いつ自分に救急医療が必要になるかは誰にもわかりません。
自分の住んでいる地域の医療体制がどうなっているのか
知っておくと安心だと思いますので
ぜひこの機会に調べてみてはいかがでしょうか。
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