呼吸困難①

国家試験対策

こんにちは yu-riです。

今回は呼吸困難についてまとめていきたいと思います。

必修問題では

2014年、2015年、2020年に出題されており

また状況設定問題の中で問われることも少なくない部分です。

一緒にまとめて確認していきましょう。

 

呼吸困難とは

まず呼吸困難とはなんでしょうか。

字を見れば小学生でも

「息が苦しいこと」「呼吸がうまくできないこと」と想像は難しくないと思います。

しかし看護師を目指すみなさんは

もう一度意味を確認し直す必要があります。

ここ必修でも問われるところですよ!

 

似ている言葉に「呼吸不全」という言葉があります。

この「呼吸困難」と「呼吸不全」の違いを説明で聞きますか?

確認していきましょう。

 

まず今回の本題「呼吸困難」とは

患者さんが「息が苦しい」「呼吸がしずらい」など

呼吸に対する不快感・不安感・努力感を感じている状態のことです。

あくまでも自覚症状であり

実際の検査の数値(例えばSpO2など)とは関係ありません。

 

一方、

患者さんの訴えの有無に関わらず

検査値に異常があれば「呼吸不全」といいます。

具体的には

動脈血酸素分圧が60Torr以下のことです。

 

抑えるべきポイントは

「呼吸困難」=自覚症状、主観

「呼吸不全」=検査値の異常、客観

という点です。

まずはここを押さえましょう。

 

では検査値上問題がないからといって放っておいていいのでしょうか?

もちろんそんなわけありませんよね。

検査値はあくまで後から判明するものであり

最初は患者さんからの訴えです。

患者さんから呼吸困難の訴えがあった場合には

緊急を要する疾患の判断や

場合によっては挿管の必要性の判断が求められます。

 

そこまででなくても

呼吸困難という症状は

患者さんにとって生命の危機とも言える

不安が大きい症状です。

適切に患者さんに寄り添えるように

勉強していきましょう。

原因となる疾患

呼吸困難を生じる疾患というと

呼吸器に関する疾患が真っ先に頭に上がりますよね。

もちろんそれは間違いではありません。

しかし呼吸困難=呼吸器の問題と考えるのは非常に危険です。

呼吸困難を生じさせる疾患は多岐に渡り

それぞれ治療法も異なります。

どんなものがあるのか一緒に確認していきましょう。

 

大まかに書き出すと

  1. 呼吸器に関するもの
  2. 心疾患に関するもの
  3. 神経に関するもの
  4. 貧血に関するもの
  5. 代謝性呼吸困難
  6. 薬物によるもの
  7. 心因性呼吸困難
  8. 生理的呼吸困難

とこんなに分けられます。

丸暗記する必要性はありませんので安心してください。

覚えて欲しいのは

「呼吸器以外にも呼吸困難を生じさせるのもがある」ということです。

 

それぞれ細かく見ていきましょう。

呼吸器に関するもの

  •  上気道閉塞(気管支炎、扁桃炎、喉頭炎、喉頭腫瘍、異物誤飲など)
  • 喘息
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 気胸
  • 肺塞栓症
  • 肺炎       など

心疾患に関するもの

  • 心不全
  • 急性心筋梗塞、狭心症
  • 心タンポナーデ
  • 不整脈
  • 心原性ショック   など

神経に関するもの

  • 重症筋無力症
  • 筋ジストロフィー
  • ギラン・バレー症候群
  • 脳炎・脳腫瘍    など呼吸筋や呼吸中枢の障害を引き起こすもの

貧血に関するもの

  • 大量出血
  • 重症貧血  など酸素運搬能の低下

代謝性呼吸困難

  • 糖尿病性ケトアシドーシス
  • 尿毒症  など 代謝性アシドーシスにより呼吸中枢が興奮

薬物によるもの

  • 麻酔薬・鎮静薬
  • 睡眠薬
  • 麻薬   などにより呼吸反射の抑制

心因性呼吸困難

  • 過換気症候群
  • ヒステリー
  • 不安神経症  など

生理的呼吸困難

  • 激しい運動
  • 高熱
  • 登山  など

 

それぞれ細かい機序は疾患を勉強するときに説明したいと思います。

今回はこういう疾患が呼吸困難を引き起こすということを

押さえてください。

 

原因検索・観察項目・治療

患者さんから「息が苦しい」と訴えられたら

どのように対応すればいいのでしょうか。

まずは緊急性の判断を行います。

そのためにABCの観察です。

この観察は呼吸困難だけでなく患者さんを観察するときに役立ちます。

A(Air way:気道)・・・声が出るか、嗄声、狭窄音、チョークサインなど

 

B(Breathing:呼吸)・・・チアノーゼ、努力呼吸、異常呼吸など

C(Circulation:循環)・・・ショック兆候

これらを10秒ほどでパッと観察し

当てはまるものがあれは緊急性ありの判断になります。

 

緊急性ありと判断した場合

人員確保・物品の準備(救急カート・薬剤など)・場所の準備(挿管・蘇生が行える場所の確保や移動)を行います。

その準備ができるまでは

気道確保、酸素投与を行います。

酸素投与は何Lと決まっているわけではなく

SpO2が90%になることを目標に投与します。

 

気道確保・酸素投与や挿管などにより

ひとまずABCの安定が図れたら、または図れる見込みが立ったら

その状態に陥った原因を探します。

各検査や観察を通して

原因検索を行い、原因を特定していきます。

原因が判明すれば

ABCの安定を図りながらその疾患に対する治療を行います。

原因に対する治療が

呼吸困難に対する根本的な治療になるので

この原因検索という作業がとても重要であり

私たちの観察力が試される部分でもあります。

 

 

長くなってしまったので今回はここまで。

次回、呼吸困難に対する看護をまとめていきます。

お疲れ様でした!

 

 

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