便秘 ⑦浣腸

国家試験対策

こんにちは yu-riです。

本日は、前回に引き続き便秘に対する看護ケアとして

浣腸についてまとめていきます。

 

目的

グリセリン浣腸が主流です。

人間の体液とグリセリンでは

グリセリンの方が浸透圧が高いので

腸管への刺激になるとともに

腸管壁から腸管内に水分を引っ張ってきます。

この水分が腸壁と便の間の潤滑剤となり

蠕動運動が促進されることにより

排ガス・排便が促されます。

 

禁忌

浣腸に関しては禁忌事項をしっかり理解しておきましょう。

一番大事なのは浣腸を行うときの体位です。

左側臥位で行う。

とりあえずこれを覚え得ておけば間違い無いです。

 

一昔前は、トイレにすぐ行けるように

トイレで、立位や中腰で浣腸を行うことが多かったようです。

しかしその姿勢だと浣腸のカテーテルが直腸にあたりやすく

直腸穿孔を起こしやすくなります。

直腸穿孔って名前だけでもうやばそうな匂いがぷんぷんしますよね。

腸が破れてしまうことですが

それに気づかないまま浣腸液を注入してしまうと

腹腔内に浣腸液が流入することになり

腹膜炎を引き起こしたり

場合によってはストマを増設する必要が出てきてしまいます。

そんなの誰の得にもなりませんよね。

必ず左側臥位で行いましょう。

 

必要物品

物品は上記の通りです。

浣腸液は40度に温める必要があります。

38度(直腸温)以下では血管が収縮し

血圧の上昇や寒気を生じさせることがあります。

逆に43度以上では腸粘膜の熱傷を起こすことがあります。

よって、適温に温めることが必要になります。

 

使用する前に少量自分の腕に垂らすなどして

熱すぎないことを確認し浣腸を行いますが

お湯の温度が42度ほどであればそれ以上温度が高くなったりはしないので

準備するお湯の温度には気をつけましょう。

 

また、物品にも関係することですが

患者さんのADLを考えて

浣腸後の排便方法を考えておくことも準備の一つです。

ADLが自立していて、歩行がしっかりしている方であれば

トイレまで歩行することも可能ですが、

足取りがおぼつかない患者さんでは

便意で慌てていると転倒の可能性があるためポータブルトイレを使用したり

歩行が難しい患者さんでは

オムツや差し込み便器を使用したりと

事前に方法を考えておきましょう。

便意の訴えがあってからでは遅いです。

患者さんの羞恥心やADLを鑑みて

患者さんと話し合って決めておきましょう。

 

方法

大まかな流れは上記の通りです。

一貫して頭に置いておきたいのは

  • 患者さんにとって羞恥心が強いことが予想される処置であるということ
  • 循環動態への影響がある、やや侵襲のある処置であるということ

です。

 

浣腸は患者さんに肛門を見えるような体位になることをお願いする必要があります。

シンプルに、自分だったらと思うとかなり嫌ですよね。

患者さんの性別や年齢、正確によって

自分でなくても一番リラックスできる看護師に処置をお願いするというのも

一つの看護なのでは無いかと私は思います。

小学生の女の子に

おじさん看護師が浣腸するって

なんか余計にトラウマになっちゃいそうですもんね笑

 

あとは可能であれば個室に移動したり

それが不可能なのであればカーテンを引いてラジオをつけるなど

周囲への配慮も行います。

その上で

タオルケットなどでできるだけ露出を少なくしたり

処置をスムーズに行い、できるだけ短時間で処置を終わらせられるようにします。

 

 

浣腸は侵襲が高くは無いですが

小さくもない処置です。

正しく処置を行なっても

蠕動運動が促進される副作用で腹痛が起こることもあります。

また循環動態への影響も理解して

心疾患などがある患者では必要に応じてモニターを装着しながら処置を行うこともあります。

臥床している間は問題なくても

トイレに行くために立ち上がったら立ちくらみで転倒なんてことも

可能性として考えられますので注意が必要です。

 

処置前、処置中、そして処置後の気分不快や頭痛の有無など観察を行う必要があります。

 

そして処置を行なったからには

その効果を確認することも必要です。

排便を得られたのか

得られた便の量・性状など

患者さんだけではなく、その効果の観察も行いましょう。

 

 

前回までまとめてきた温罨法腹部マッサージを行った後に

浣腸を行うとさらに効果的です。

温罨法と腹部マッサージによって腸蠕動を促進し

そこに浣腸を行うとより排便・排ガスを得やすくなります。

また、温罨法と腹部マッサージだけで排便を得られるなら

そのほうが侵襲も少なくていいですしね。

 

 

もう一つ、便秘に関連する看護ケアとして

摘便についても次回まとめていきたいと思います。

よかったら合わせてご覧ください!

 

お疲れ様でした!!

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