こんにちは yu-riです。
本日は便秘の第2回、便秘の分類についてまとめていきます。
便秘と一言で言っても
さまざまな原因・背景があります。
便秘を改善したいと思うのであれば
原因を知り、そこに対して介入を行っていく必要があります。
そのために便秘の分類を一緒にまとめていきましょう。
分類の全体像
便秘は大きく4つに分類されます。
- 機能性便秘
- 器質性便秘
- 症候性便秘
- 薬剤性便秘 です。
それぞれについて
もう少し詳しくまとめていきましょう。
機能性便秘
機能性便秘とは
主に生活習慣が原因で起こる大腸の動きの低下で起こる便秘です。
さらに3つに大きく分類されます。
- 弛緩性便秘
- けいれん性便秘
- 直腸性便秘 です。
弛緩性便秘とは
食事や運動不足、筋力の低下により
大腸全体の動きが鈍くなることが原因で起こる便秘です。
動きが鈍くなることにより
便が大腸を通過する時間が長くなります。
これにより便の渋滞が起こると同時に
大腸に長時間いることで水分が余計に吸収されてしまい
便がどんどん固くなってしまいます。
硬いものが出にくいというのはイメージしやすいと思います。
けいれん性便秘とは
ストレスなどにより自律神経が失調することで起こります。
腸は自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスによって
弛緩と収縮を繰り返すことにより蠕動運動を行なって
便を輸送・排出しています。
このバランスが崩れ腸が収縮したままになってしまい
便がうまく通過できなくなってしまうのが
このけいれん性便秘です。
収縮し、細くなってしまったところから少しずつしか出ないので
コロコロした硬い便(兎糞状)が特徴です。
直腸性便秘は
便の輸送は問題なく行えるものの
便意を感じられないため
直腸に便が多く溜まり
太くて硬い便になることが特徴です。
下剤・浣腸などの乱用によって
自力での排便ができなくなったり、
便意を我慢する習慣により便意を感じにくくなってしまうのが原因です。
いずれも生活習慣が関わっていることが多いため
ある意味、原因疾患を治療するよりも
改善が困難で、常習性が高いです。
看護師としては割と介入しやすい便秘ではあると思います。
器質性便秘
器質性便秘とは
器質、つまり腸自体の形によって便が通過できずに便秘になるものです。
大腸癌などの悪性新生物や
クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症
手術後の腸管癒着などにより
腸管が物理的に狭くなり、通過障害が起きたりするものです。
症候性便秘
症候性、つまりなんらかの疾患の影響で
腸の運動を調節する神経などが障害され
便秘が起こるものです。
- 脊髄損傷などにより排便反射に関わる神経が障害される
- 糖尿病性神経障害により自律神経が障害される などです。
薬剤性便秘
これはわかりやすいですね。
薬の副作用により起こる便秘です。
- 抗コリン薬
- 抗うつ薬
- 抗パーキンソン薬
- 抗けいれん薬
- 制酸薬
- カルシウム薬
などは副交感神経を抑制するため
交感神経とのバランスが崩れ
蠕動運動が低下。
麻酔薬は筋肉を弛緩させるため
蠕動運動が低下。
モルヒネは筋緊張を亢進させ蠕動運動が低下。
こういった薬剤を使用している患者さんを受け持った際には
排便の観察も日々行なっていくことが大切です。
今回は便秘の分類についてまとめてきました。
分類そのものが重要なわけではありませんが
知っておくと情報収集がしやすかったり
看護介入の方法も考えやすくなると思います。
暗記する必要はないですが
ぜひ頭の片隅に入れておいてみてください。
お疲れ様でした!
コメント