こんにちは yu-riです。
今回は、前回に引き続き不整脈についてまとめていきます。
前回はこちら。
前回に引き続き、必修対策向けになっています。
そこまで深くは掘り下げず
浅く全体を確認していきましょう。
不整脈の症状
不整脈と一言で言っても
色々な原因・機序で発生し
そのそれぞれが疾患名になっていることは前回お話ししました。
言うなれば
それぞれ別の病気であるため
それぞれ症状が異なる部分がありますが
一方で共通して起こる症状もあります。
今回はそれを確認していきましょう。
個人によって症状の差はありますが
不整脈の代表的な症状は動悸と失神です。
特に大事なのは失神です。
必修問題で問われる部分ですのでしっかり抑えていきましょう。
不整脈が原因で起こる失神(一過性の意識消失)を
アダムス・ストークス症候群と言います。
ではなぜ不整脈で失神が起こるのでしょうか。
その機序を確認していきます。
普段私たちは
心臓がポンプの役割を果たすことで全身に血液を循環させています。
通常であれば脳までしっかり血流が行き渡るので
脳はしっかり役割を果たすことができます。
しかし不整脈によってこの循環が保てなくなってしまうことがあります。
徐脈、つまり脈拍の回数が少ない状態では
一回に送り出される血液量が足りていたとしても
回数が少なすぎて役割を果たすほどの血流を保つことができません。
また頻脈、つまり脈拍回数が多い場合には
回数が多い分
心臓が一回一回十分に収縮・拡張する暇がなく
結果的に十分な量の血液を送り出すことができず
脳への血流量も足りなくなってしまいます。
脳への血流が保てなくなるとどうなるか。
脳は意識を司る部分ですので
これが機能しなくなる=意識がなくなる
つまり失神(一過性意識消失)となります。
場合によっては痙攣を起こすこともあります。
失神まで至らなかったとしても
意識がなくなる手前の症状
ぼーっとしたり、めまい、目の前が真っ暗になるかんじ
などが起こることがあります。
不整脈によって血流が保てない
➡︎脳への血流も保てない
➡︎脳の機能(意識)を保てない
➡︎失神
この流れを理解しておきましょう。
致死性不整脈
不整脈の中には
さまざまな種類があることに関しては前回からお話ししていますが
その中でも生命に関わらないもの
すぐに生命に関わることはないが治療が必要なもの
いますぐ生命に関わるものがあります。
いますぐ生命に関わる不整脈を致死性不整脈といい
これが見られた際には早急に救命処置を行う必要があります。
いち早く救命措置を開始するためには
起こっている不整脈が致死性不整脈だと判断しなければいけません。
すごく大切なことですよね。
なので、ここ必修問題で出ます。
とにかく覚えて欲しいのは
心室細動(VT)です。
医療ドラマでも聞いたことがある人は多いと思います。
「先生!VTです!」
「よし、電気ショックの準備を!」ピピピピピピ どーーーん!
みたいなやつです。
心室細動とは字の如く
心室が細かくピクピク動いている状態のことです。
ピクピク痙攣のように動いているだけなので
規則的な波形は全くありません。
幼稚園児が書いたような波線になります。
心室は血液を送り出すところ、
ここがピクピクしているだけで
ギュッと縮まってくれないので
心臓は血液を送り出すことができません。
一見動いているように見えても
実質的には心停止している状態なわけです。
なのでこの波形を発見したら一刻も早く胸骨圧迫を開始し
少しでも循環を保ちます。
そしてこの不整脈を止めるために除細動器を使用します。
他にも覚えていただきたい不整脈はいくつかありますが
まずはこれだけ。
これだけは絶対に覚えてください。
これを覚えるだけで必修問題が一問解けます。
臨床でも大いに役立ちますよ。
少し短いですが、不整脈必修編はここまでです。
前回と今回を踏まえた上で
またいずれ不整脈を深く学んでいきましょう。
基礎の基礎をまとめましたので
ここが理解できていれば十分国試とは戦えます。
お疲れ様でした!
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