こんにちは yu-riです。
本日はショックの第2回目です。
①でショックとはなにか
循環の3要素についてまとめました。
今回からはショックの4つの分類それぞれについて少し深めていこうと思います。
本日はその第1弾、循環血液量減少性ショックです。
循環の3要素がかなり絡んできますので
まだ読んでいない方はまずそちらを確認してからのほうが
話が分かりやすいと思います。
循環血液量減少性ショックの原因
まずは循環血液量減少性ショックについてまとめていきましょう。
流れる血液の量が何らかの原因で少なくなり
血流を保てなくなるっていう病態でしたね。
循環血液量減少性ショックの原因は
血液が少なくなってしまうことですが
その少なくなる原因によってさらに2つに分類されることもあります。
血液そのものが減少する出血性ショックと
血液中の水分(血漿)が減少してしまう体液喪失性ショックです。
出血性ショックのほうはイメージつきやすいですね。
大けがや手術で大量に出血したり
大動脈瘤が破裂して体内に大量に出血したり
あとは消化管出血による吐下血など。
いわゆる血が失われて起こるショックです。
一方体液喪失性ショックは
一般的にイメージされる赤い血ではありません。
嘔吐・下痢、火傷や熱中症などにより体液が失われることにより
血液がどろどろになるようなイメージです。
一言でいえば脱水ですね。
利尿剤の使用による尿量増加なども原因になります。
in-outバランスの観察が重要です。
症状
循環血液量が減少すると
どういう症状が出てくるかをまとめていきましょう。
普段であれば十分な量の血液が循環しているため
心臓に戻ってくる血液量も十分。
なので心臓から拍出される血液量も十分。
というサイクルが成り立ちますが
循環血液量が減少すると
心臓に入ってくる血液が少なくなります。
当然一回で拍出できる血液量も少なくなります。
血液が少ないと末梢までにいきわたらないため
脈は弱く、末梢が冷たく、皮膚も蒼白となります。
様々な臓器への血流量が減りそれぞれ障害が出てきますが
目で見えるものとして尿量の減少があります。
腎臓への血流量が減少したことにより
そこで作られる尿量も減るというわけです。
しかし血流は保たなくてはなりません。
そこで心臓は拍動回数を増やして何とかバランスを保とうとします。
まとめると
循環血液量減少性ショックの主な症状は
頻脈、脈拍微弱(低血圧)、尿量減少、5Pといったところでしょうか。
治療
次に治療についてまとめていきましょう。
循環血液量が少なくてショックに陥っているわけですから
循環血液量を増やせばいい!という割と単純な治療法です。
ただし穴の開いたプールに水を入れても
一生溜まらないですよね。
穴をふさぐ必要があります。
ここでいえば出血源に対する治療も同時に行っていきます。
止血処置ですね。
手術だったり、内視鏡だったり・・・。
血液量を増やすには輸液または輸血です。
輸液の選び方に関しては
後日脱水の勉強をするときに詳しくお話ししようと思います。
ひとまず細胞外液(リンゲル液・生理食塩水)ということを
頭の隅に置いておいてください。
ショックインデックス(SI)
循環血液量減少性ショックにおいて
心拍数と収縮期血圧を用いて
出血量の予測・初期評価に使用するツールがあります。
それがショックインデックス(SI)です。
主に外傷で大量出血していると考えられる患者の初期段階に用います。
今起こっているショックがどの程度の重症度なのか
どのくらいの出血が予想されるのかを計算できるものになります。
あくまでも一つのツールであり
これだけを過信して患者さんの状態を判断してはいけません。
また「初期段階」という点も気を付けなければなりません。
心拍数は基礎疾患や病態によって変化していってしまうためです。
他のバイタルサインや観察と合わせて評価をすることで
輸液・輸血の必要性・量を概算するのに役立てていきましょう。
いかがでしたか。
本日はショックのうちの一つ
循環血液量減少性ショックについてまとめました。
病態を理解していれば覚えることは
そこまで多くないと思います。
前回やった循環の3要素と合わせて理解を深めておきましょう。
おつかれさまでした!
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