ショック①

国家試験対策

こんにちは yu-riです。

本日から「ショック」について整理していきたいと思います。

国試においても必ずと言っていいほど出題される分野ですので

しっかり押さえておきましょう。

 

ショックとは

まずショックとは何でしょうか。

定義は

「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果

重要臓器の血流が維持できなくなり

細胞の代謝障害や臓器障害が起こり

生命の危機に至る急性の症候群」(日本救命医学会)

とされています。

うん

読む気失せますね。

イラストを載せて簡単に言い換えていきましょう。

生体への侵襲、つまり私たちの体が

何かしらのものから攻撃されるっとことですね。

この攻撃に対して私たちの体は

なんとか戦って体を正常に保とうとします。

しかしそれも限界があり

循環血液量の減少

心拍出量の低下

血管の異常へとつながっていきます。

私たちはいろんな臓器

ひいては細胞でできていているわけですが

その細胞たちは血液が運んでくれる酸素がなければ死んでしまいます。

つまり酸素がいきわたらなければ

細胞の死、つまり臓器の死が起こります。

これが体のあちこちで起こることを多臓器不全といいます。

ショックというと血圧が低いことと考えてしまいがちですが

この一連の病態のことをショックといいます。

 

このショックに至る経過で

先日まとめた「ショックの5徴候(5P)」が現れるわけです。

復習してみてくださいね。

いずれの徴候も循環障害が起こることによって

出てくる症状になります。

 

循環の3要素

ショックとは何かが分かったところで

具体的にショックの病態について確認していきましょう。

 

病態についてまとめるために

まずおさえるべきは循環の3要素です。

私たちの体が循環を保つための3つの柱です。

  • 循環血液量
  • 心臓のポンプ機能
  • 血管抵抗

この3つのうち

どれか1つでも破綻すると循環障害となり

最悪の場合ショック、死へとつながります。

 

これらは流れるプールを想像すると理解しやすいと思います。

まず循環血液量です。

体の中を流れている血液量のことです。

どんなに立派な流れるプールの施設があっても

水がないんじゃ困っちゃいますよね。

水が少ないとちゃんと流れるかどうかも怪しいです。

大量出血や激しい脱水などで体内の水分を多く失うと

この機能が破綻してしまいます。

 

次に心臓のポンプ機能です。

プールに水が十分たまっていても

そのままじゃ流れるプールにはなりません。

ポンプで水に流れを起こしますよね。

そのポンプの役目を果たしているのが人間でいえば心臓なわけです。

ポンプが故障してしまったり

ポンプ自体が壊れていなくても停電してしまったりしたらどうでしょう。

流れがなくなって

ただのプールとなるわけです。

それが人間なら死ですよね。

 

最後に血管抵抗です。

同じ量の水を同じ力で押し出したとき

細いプールのほうが勢いよくながれて(抵抗大)

太いプールではゆっくりになりますよね。(抵抗小)

血管でも同じことが起こります。

血管の収縮=細くなる

血管が弛緩=太くなる

これを普段は自律神経などがコントロールしています。

これが何らかの原因で弛緩しっぱなしだったらどうでしょうか。

血圧は一向に上がらず

必要な血液量を重要臓器に運べなくなりますね。

 

循環の3要素

理解することができましたか?

これが理解できれば

ショックはもう怖くありません。

楽勝です。

 

ショックの分類

先ほど学んだ循環の3要素をもとに

ショックは4つに分類されます。

  • 循環血液量減少性ショック
  • 心原性ショック
  • 心外閉塞・拘束性ショック
  • 血液分布異常性ショック

です。

心臓のポンプ機能に関しては

心臓自体に問題がある場合と

心臓の周りの環境のせいで心臓のポンプに異常が出る場合とで

分類をわけています。

 

血液分布異常性ショックはちょっと名前が難しいですね。

これは一つ原則を覚えれば簡単に理解できます。

人間の体は本当にうまくできていて

血液を集める場所をコントロールすることができるんです。

雪山で遭難して手足は凍傷になったけど命は助かった

という事例をイメージしましょう。

命を守るのに必要な臓器(心臓や肺)に血液をおくりこむために

最悪手足はなくなってもいいと体が判断し

末梢の血管は血液がいかないようにギュッと収縮し

中心に血液を集めるんです。

末梢を切り捨てて中心を守る。

これが原則なのですが

そんなこと関係なく血管が広げっぱなしになり

本来中心に集まるべき血液が

末梢にまで分布してしまう異常事態。

これが血液分布異常性ショックです。

言葉の意味が分かれば簡単ですよね。

 

 

本日はショックについて学びました。

いかがだったでしょうか。

まだ導入部分ですが

ここを抑えておけば後はそこまで難しいことはありません。

次回はショックの分類を

それぞれについてもう少し深めていこうと思います。

深めるためには

本日まとめた内容の理解が必須です。

循環の3要素について

しっかり確認してください。

 

おつかれさまでした!

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